今回のタイトルである心拍数とダイエットの関係性ですが、運動中の心拍数を適切に管理することで、ダイエットが効率的に進行すると言えます。
今日はその理由と、ダイエット効率的に進めるための心拍数の設定方法を解説します。
目次
心拍数とは?

心拍数とは一定の時間内に心臓が拍動する回数のことを言います。
年齢によって体力の低下が起きると言われていますが、運動の強度と心拍数の値は基本的にはイコールになります。そのため、最大心拍数を上げられる人ほど体力があると言っても過言ではありません。
また、そういった考え方から運動強度を計る目安としても使われやすく、ダイエットにおいても心拍数の適切な範囲で行うとダイエットしやすくなります。
ダイエットに最適な心拍数とは

ダイエットに最適な心拍数は、100〜130(拍/分)と言えます。
なぜそうなるかは下記のカルボーネン法という計算式で算出することができます。
(220ー年齢ー安静時心拍数)×目標係数+安静時心拍数
20代後半の私・筆者が、計算してみるとダイエットに最適な心拍数は
(220ー26ー60)×0.4+60=113(拍/分) となりました。
と言われても、最大心拍数ってどうやって知るの?心拍数の測り方は?などたくさんの疑問があります。それぞれの値の設定方法を解説していきます。
目標係数とは
目標係数とは、各運動において強度をある程度の数値で表したものです。
その中ではRPE(自覚的運動強度)といった表記も記入しています。
例えば自分が「きつい」や「少し楽」など自分が感じた感覚そのものをRPEといいます。
カルボーネン法でダイエットに最適な心拍数や強度を算出するためには、下記の表から
RPE11〜14、強度 35%〜55%くらいがベストだと言えます。
RPE | 自覚度 | 強度(目標係数) | 心拍数(拍/分) |
---|---|---|---|
20 | もうだめ | 100% | 200 |
19 | 非常にきつい | 92.9% | ↑ |
18 | ↑ | 85.8% | 180 |
17 | かなりきつい | 78.6% | ↑ |
16 | ↑ | 71.5% | 160 |
15 | きつい | 64.3% | ↑ |
14 | ↑ | 57.2% | 140 |
13 | ややきつい | 50.0% | ↑ |
12 | ↑ | 42.9% | 120 |
11 | 楽に感じる | 35.7% | ↑ |
10 | ↑ | 28.6% | 100 |
9 | かなり楽に感じる | 21.4% | ↑ |
8 | ↑ | 14.3% | 80 |
7 | 安静時 | 7.1% | ↑ |
6 | ↑ | 0 | 60 |
こちらの表から、どんな年齢の方や運動レベルの方でも 心拍数は100〜130くらいがダイエットに最適な心拍数だと言えます。
安静時心拍数とは?測り方も解説。
プライムコーストみなとみらいクリニックが監修する記事では、
人間の成人の安静時の心拍数の正常値は、1分間に60~100回とされていますが、平均的には60~70回で、85回以上は比較的まれです。
プライムコーストみなとみらいクリニック
「あなたの心拍数、大丈夫ですか?」心拍数と寿命
としており、普段運動をしている人は安静時心拍数を60、普段運動していない人は70〜80で計算するといいでしょう。
また、実際に自分の体を使って計測する方法もあります。

- 右手の人差し指と中指で、左手首の血流部分を抑え、10秒間脈動を数えます。
- その値を6倍すると、1分間の安静時心拍数を算出することができます。
- この時、息が上がっていない通常の状態で行うようにしましょう。
最大心拍数の計算方法
最大心拍数は「220-年齢」で一般的には算出しています。
つまりカルボーネン法の最初に出てくる「220ー年齢」というのは最大心拍数のことを指します。
もちろん人によって大幅にかわったりもありますが、ダイエットにおいての算出はざっくりでもいいでしょう。
なぜ心拍数が高すぎないくらいがダイエットにいいのか?

心拍数が高くなる=運動強度が高くなると、体内のエネルギーは炭水化物からのエネルギー回路である解糖系や、クレアチンリン酸などがエネルギー源になるホスファゲン機構などといった、回路からエネルギーとなるATPを作り出します。
もちろんこれらのエネルギー供給でハードに追い込むことで脂肪の分解を起こすことができますが、ここでのダイエットに最適な運動は、「脂肪をエネルギーに行う運動」のことを指しています。
脂肪をエネルギーにする運動は有酸素系のエネルギー回路であり、運動強度は比較的低く、持続的な運動ができる強度の際に活動されるエネルギー回路です。
こういった生理学上から考えると、ダイエットに最適な心拍数は上記で示した、運動強度が高すぎないレベルになると言えるでしょう。
DNSWEBメディアより↓
1-3.筋肉を動かす3つのエネルギー供給系
人間が筋肉を動かすためのエネルギーには、ATPと呼ばれる高エネルギー性の化合物が利用される。ATPはAdenosine Tri-Phosphate(アデノシン3リン酸)の略で、アデニン、リボース、3つのリン酸から構成されている。ATPから1つのリン酸が離れADP(Adenosine Di-Phosphate:アデノシン2リン酸)に分解されるときに生じるエネルギーを利用し、筋収縮が行われている。
しかし、筋内に貯蔵されているATPの量はごく限られている為、運動を続けるにはATPの再合成や産生が必要となる。ATPを再合成あるいは産生する経路は大きく3つ存在し、それぞれ「ATP-CP系」「解糖系(乳酸系)」そして「有酸素系」と呼ばれる。これら3つの経路にはそれぞれ特徴があり、運動時間や強度によって貢献度が変化する(図1)。
DNS ZONE「1-3.筋肉を動かす3つのエネルギー供給系」
運動中の心拍数はどうやって測るの?
シンプルにApple Watchなどの手首につけて心拍数を常に計測してくれるものが正確で、一番簡単です。
有酸素運動しながらしばらく計測していると、大体自分の心拍数がわかってくるので、その領域になるとほぼつけなくても、前の章で出てきたRPEで判断して行っても問題ないでしょう。
あとはジムなどでトレッドミルなどのハンド部分に銀色の心拍数を測るところがあるので、そう言ったものを活用するなど。(ただ、うまく測れなかったり測定が遅かったりなどがあるためお勧めできない)
まとめ
ダイエットを行うためには運動強度の高い筋トレなどで脂肪の分解を促すことも重要です。しかし、ダイエットには有酸素運動などの強度が低い運動を行うことで脂肪の燃焼が加速的に進みます。そのための最適な心拍数は、100〜130(拍/分)といえ、この心拍数を維持しながら運動をすることで効率よく脂肪を燃焼できるでしょう。
ぜひ皆さんも参考にしてみてください!
笹森大生(ささもり・だいせい)
大手フィットネスジムにて実績を積み、フリーランスのパーソナルトレーナーへ転身。現場において1000人以上の方へ指導・カウンセリング・コミュニケーションをとってきたことから、フィットネスのための情報をより多くの人に発信していきたいと思い「トーキョーフィットネス」を開設。
また、銀座のブライダルドレスショップと提携をし、ブライダルのためのボディメイクサポートプランも手がける。
■生年月日 1997年12月15日
■出身地 青森県出身
■保有資格
・NSCA-CPT(全米エクササイズ&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)
・Animal Flow Lv.1 Instructor