スイカは他の食品には含まれない「シトルリン」というアミノ酸をはじめたくさんの栄養が詰まっている隠れたスーパーフードです。
今回はスイカの健康効果や栄養について解説し、実は知られていないスイカの種の栄養価についても解説していきます。
目次
スイカの健康効果について
スイカは夏季に非常に人気のあるフルーツであり、さまざまな栄養成分と健康効果があります。以下に、スイカの主な栄養成分と健康効果をご紹介します。
- カリウム
- β-カロテン
- リコピン
- シトルリン
- ビタミンC
- むくみ解消
- アンチエイジング
- 血流改善
- 免疫機能の改善
ここではスイカの栄養素をもとに、スイカの健康効果をそれぞれ細かく解説していきます。
むくみ解消
スイカには大量のカリウムを含んでいますが、カリウムは体内のナトリウム(塩分)を調整する役割があるため、血圧を正常に保つのに役立ちます。
また、ナトリウムを調整するため、むくみを即効的に抑えたり、正常な血圧を保つためむくみの発生を未然に防ぐことも可能です。
また、ビタミンCやリコピンなどの抗酸化物質も含まれますが、これらは細胞における炎症やむくみを軽減する可能性のある物質のため、カリウム以外の成分としてもむくみの解消をサポートすると言えます。
アンチエイジング
スイカには上述したようにビタミンCやリコピン、β-カロテンなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。
抗酸化物質とは、活性酸素を取り除き、酸化の働きを抑える物質のことを言います。
活性酸素自体は少量であれば身体において良い方向へ働きかけますが、大量に生成されると過酸化脂質を作り出し、動脈硬化・がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こす恐れがあります。<参考文献:厚生労働省 e-ヘルスネット 抗酸化物質(こうさんかぶっしつ)>
そのため、スイカを摂取しビタミンCやリコピンを摂取することで、活性酸素を取り除き、酸化を抑えることができます。
その結果、老化を防いだり若々しい肌と健康な細胞を維持するのに役立つのです。
また、スイカに含まれるシトルリンも同様にアンチエイジングに効果を発揮します。
スイカに含まれるシトルリンは一酸化窒素(NO)を合成するのに役立ちますが、一酸化窒素(NO)は血管を拡張させ血流を改善する役割を果たします。
その結果や皮膚や臓器へ酸素や栄養素を流れよく供給することができるため、身体全体の組織の健康を促します。
また、シトルリン自体も一部の抗酸化物質と相互作用するメリットもあるため、ビタミンCやリコピンなどと同様に活性酸素から体を守る働きも行われるのです。
血流改善
上述したように、スイカにはシトルリンが含まれ、シトルリンは一酸化窒素(NO)を合成させるのに役立ち、血管を拡張させ血流を改善する役割を果たします。
血流を改善できると、身体全体に栄養や酸素が行き渡りやすくなるため、健康効果はもちろん、筋トレをしている人であれば筋肥大、ダイエットしている人であればダイエットも効率よく促進されます。
スイカから摂取できるシトルリンは、これからダイエットや筋トレをしたいと考えている人や健康を気にしている人には注目したい成分です。
また、シトルリンについてはこちらの記事で細かく解説しているのでぜひチェックしてみてください。
免疫機能の改善
スイカの健康効果として、免疫機能の改善効果については上述してきた内容のまとめのような項目になります。
ビタミンCやリコピン、β-カロテンなどによって抗酸化作用を発揮しますが、それらは免疫細胞を支援し、ウイルスや細菌による攻撃に対抗するのにも役立ちます。
また、シトルリン自体も血流の改善などにより免疫機能に寄与します。
またβ-カロテンは抗炎症作用があり、炎症を軽減し面木応答を調整するのに役立つため、スイカを摂取することでかなりの免疫機能改善効果があることがわかります。
スイカの摂取によるシトルリンが及ぼす効果を論文で解説
スイカの健康効果としてシトルリンが影響していることを解説しました。
実はこのシトルリンがかなりの健康効果があるため、ここでは論文を活用してさらに細かく解説していきます。
ある論文ではスイカが含む成分であるL-シトルリンとL-アルギニン、および一酸化窒素(NO)の前駆体としての役割に焦点を当てており、これらの成分は心臓代謝健康に対する潜在的な影響心血管と代謝結果に関するエビデンスを調査しています。
論文の内容として、スイカとL-シトルリンの補給が、ヒト試験において血圧を減少させる効果があることが示されています。
また、脂質代謝に関しても利益をもたらす証拠が存在しているため、ダイエットにおいてもスイカ摂取が役立つ可能性があるとわかっているのです。
さらに、スイカの摂取は腸バリア機能の改善と微生物組成の変化を示唆し、脳と腸の健康に対する潜在的な影響がある可能性も言及されているため、シトルリンは「身体全体の機能を改善する」という抽象的な表現に加え、脳や腸の機能も改善する優れたアミノ酸であると言えるでしょう。
シトルリンはスイカからの摂取がおすすめ?
スイカはシトルリンがたくさん含まれており、食品の中でも最も多くなっています。
食品名 | シトルリン量(100gあたり) | シトルリン800mg相当となる食品摂取量目安 |
---|---|---|
スイカ | 180mg | 1/7個 |
メロン | 50mg | 1.3個 |
きゅうり | 9.6mg | 56.5本 |
にがうり(ゴーヤ) | 16mg | 24.2本 |
冬瓜 | 18mg | 3.8個 |
ニンニク | 3.9mg | 290個 |
へちま | 57mg | 7.7本 |
クコの実 | 34mg | 2.3kg |
ただ、1日のシトルリン推奨摂取量は800mgとされています。
スイカにはもちろんシトルリンがたくさん含まれていますが、さらに健康効果を感じたい方はサプリメントの活用もおすすめです。
健康を意識している人や筋トレやダイエットをしている人にはぜひサプリメントからの接種も検討してみてはいかがでしょうか?
シトルリンのおすすめサプリメント
ブラッドオレンジ風味 by 山本義徳 240g 1回あたりL-アルギニン3000mg L-シトルリン800mg 国産
スイカの種にも栄養がたくさんある?
ここまでスイカの効果を解説してきましたが、実はスイカの種にも栄養効果があるのです。
普段は当たり前のように捨ててしまっている種ですが、この内容を読むと、種も摂取した方がいいかも…と気づきがあるかもしれません!
そんなスイカの種には以下のような栄養成分があります。
- 不飽和脂肪酸(オメガ-6脂肪酸)
- タンパク質
- ミネラル
- ビタミン
- ファイバー
不飽和脂肪酸(オメガ-6脂肪酸)
スイカの種に含まれる脂肪は主に多価不飽和脂肪酸で構成され、特にリノール酸(オメガ-6脂肪酸)が含まれています。オメガ-6脂肪酸は脂質の中でも、良質な脂質であり、摂取することでコレステロール値を低下させる効果やアレルギー症状を改善させる効果、生活習慣病の予防に効果があります。しかし脂質であることには変わりないので過剰摂取には注意が必要です。
タンパク質
スイカの種にはタンパク質も含まれており、主に植物性タンパク質であるアミノ酸が含まれています。これらのアミノ酸は体のタンパク質合成に使用され、特にアルギニンやグルタミン酸が含まれています。
ミネラル
スイカの種にはミネラルが含まれており、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウムなどが含まれています。これらのミネラルは骨の健康、神経機能、筋肉収縮などに重要な役割を果たします。
ビタミン
スイカの種にはビタミンもわずかに含まれています。
特にビタミンB群(主にナイアシンとパントテン酸)が含まれており、スイカそのものにもビタミン群が含まれていることから、種の摂取により相乗的な効果が見込めます。
食物繊維
スイカの種には食物繊維も含まれており、便秘の緩和や腸の健康維持に寄与します。
食物繊維は普段摂取量が少ない方が多い傾向にあるため、種の摂取はかなりおすすめです。
スイカの種はそのまま食べて大丈夫?
スイカの種はそのまま食べても問題はありません。
しかし消化されづらいため、スイカの種まで食べて健康を保ちたい方は以下のようにするといいでしょう。
スイカの種の食べ方
よく洗って乾かし、黒い皮をハサミを使って切り中身を出す。
種の長い横側を切ると取りやすい。
フライパンで乾煎りする。
パチパチと音がして膨らむ。
味見をしながら塩をまぶして完成
ほかのドライナッツ系と醤油、砂糖で煮からめても美味しいです!
スイカは毎日食べても大丈夫?
スイカは毎日食べても問題ございません。
ただ、成分として炭水化物も多少含むためダイエットや体重制限をしている人は摂取量を調整する必要があるでしょう。
また、その際シトルリンの摂取を必要と感じている方はサプリメントからの摂取をお勧めします。
スイカの健康効果まとめ
スイカには 、
- むくみ解消
- アンチエイジング
- 血流改善
- 免疫機能の改善
などの健康効果がありますが、その中でも「シトルリン」と呼ばれるアミノ酸が摂取できることによる効果が一番大きいと言えます。
食品の中でもシトルリンはスイカからが圧倒的に摂取でき、また、スイカは種にも栄養素がたくさんあります。
ぜひ、これから食品を選ぶ際はスイカの健康効果にも着目して、チェックしてみてはいかがでしょうか。
笹森大生(ささもり・だいせい)