スポーツをする方やトレーニングをする方、一般の方にまで共通することは、体の動きを正常にコントロールできるかどうかだと言える。
今回ご紹介する「ムーブメント・プラクティス」は、体の機能を最大限向上させるものだとMasa Suzukiさんは語る。
ムーブメント・プラクティスを日本・世界の最先端で発信し続けるMasa Suzukiさんにムーブメントプラクティスとは一体どんなものなのかをお伺いしてきた。
動画での視聴はこちらから↓
ムーブメントから派生したエクササイズ「アニマルフロー」についての記事はこちら!
目次
Masa Suzuki さんの経歴
Suzuki Masaと申します。 SNSとかでは、SHINOBI MOVERとかって呼ばれたりするんですけど、東京で活動しているムーブメントコーチです。 ムーブメントコーチって身体操作を教えるスペシャリストみたいなイメージです。
元々パルクールという競技のプロ選手を大体10年以上やっていまして、そのほかにもヒップホップとコンテンポラリーダンスを大体8年くらいやっていました。
仕事としては、キネシオロジーって言ってスポーツとか医学とか動作学の大学の卒業を持っていまして、そこでCSCSというNSCAの資格を取りました。
一般大衆で言うとトレーナーになりますか?
どうなんですかね?!笑
トレーナーというのは、トレーニングに特化した方々のことを僕の中では解釈していて、 コンディショニングコーチって言われる方々はコンディショニングに特化した方々。 僕が業界の中で分類するんだったらパフォーマンスコーチっていう分類なんだと思います。
トレーニングだけじゃなくてその人の私生活だったりとか根本的に何が問題あるのかということを解決する人。 ほとんど一般のお客さんがいらっしゃらなくて、お客さんがトレーナーだったりプロの選手やダンサーさん芸能関係の方など…。 鈴木お悩み相談室みたいな感じで受けに来てくださっていますね。
あとは、ワークショップ、セミナーコーチをしていて、今度行うLINKREASE FESTA(リンクリーズフェスタ)だったりとか、そういうところでやらせていただいています。
10/22-10/23
LINKREASE FESTA in MIYAGI
〜ヘルスケア業界の再構築を目指して〜
多様化する現代社会の健康課題に対して、私たちは様々な専門分野で活躍している、ヘルスケア産業に関わる全ての方々と手を取り合って改善していきたいと考えております。そして、その繋がりの場となるべく『LINKREASE FESTA in MIYAGI』を開催いたします。民間企業、行政、教育機関と共に、ヘルスケアネットワークの再構築に寄与できるイベントを目指します。
https://www.solufaction.com/linkrease-festa 公式サイトより
「LINKREASE」名前の由来
私たちは、ヘルスケア業界に関わる皆様の繋がりを広げていく事で、沢山の輪ができ、健康をサポートする大きな力になると考えています。専門分野以外の領域を理解し共通認識を持ちながら協力しあい、健康課題を改善、向上させていきたいという想いから、LINK(繋ぐ・輪)とINCREASE(強固な)の造語でLINKREASE(リンクリーズ)と名付けました。
ムーブメント・プラクティスとは
今日はムーブメントコーチであるMasaさんに、ムーブメントに関することをお聞きしたいと思っています。
ムーブメントっていわゆる「動き」じゃないですか。
自分の身体を操る動きであれば全てムーブメントになるんですよね。 僕がやっていることはムーブメントプラクティスということ。
人間教育っていうことに焦点を当てた身体操作の哲学のことを、ムーブメントプラクティスって呼んでいます。
僕が行っているムーブメントプラクティスは、その中でもShinobi Movement メソッドと言っています。
僕には先生が5人いるんですけど、コナー・マクレガーという総合格闘技の選手のムーブメントコーチであったイド・ポータルさんが僕の師匠の一人。
後は、YAMAKASIというパルクールの創始者の方々、あとはLAbreakersというブレイクダンスのチームがあるんですけど、そこの中にも入れさせて頂いていて、そこの中でもヒップホップの師匠がいます。
その他には忍術/古武術の総本山としてFBIやCIAにも指導する武神館道場と、中国拳法とコンテンポラリーダンスとコミュニケーション学をベースとし、国際連合の特殊部隊に指導する Fighting Monkey Practice のジョセフ先生がいます。
「Ido Portal, Yamakasi, LA breakers, 武神館、Fighting Monkey Practice」この5つの柱の上に、新体操作というものを取り入れて、もともと大学で学んでいた医学とか東洋思想とか化学とか量子物理学とかを混ぜ合わせた1個のメソッドが僕のやっているShinobi Mobement メソッドです。
たくさんのジャンルのものから取り入れているということですね…!
5つの要素がどのように絡み合って一つのムーブメントを作っていくのでしょうか?
全体的なムーブメントとはまた別ですが、僕のメソッドとしては5つの目的があって、
①想像力を活性化させること
②身体操作性を向上させること。
③生涯健康で居続ける身体を手に入れること
④イノベーターとしての能力の向上。
0→1ができる人のことをイノベーターって思っているんですけど、クリティカルシンキング(物事や情報を無批判に受け入れるのではなく、多様な角度から検討し、論理的・客観的に理解すること)とクリエイティブシンキング(枠組みに関係なく自由に発想すること)を両方兼ね備えるとイノベーション(モノや仕組み、サービス、組織、ビジネスモデルなどに新たな考え方や技術を取り入れて新たな価値を生み出し、社会にインパクトのある革新や刷新、変革をもたらすこと)になると思っています。
⑤適応力を向上させてサバイバル能力の向上。
現代社会のクレイジーの世の中、混沌の中でどうサバイバルができるかっていう のをパフォーマンスコーチとして僕は見ています。
モットーとして人生のパフォーマンスを上げるための身体操作鍛錬って言い方で自分のことを売っています。
ムーブメントから派生したエクササイズ「アニマルフロー」についての記事はこちら!
ムーブメント・プラクティスは人間教育
根本的にムーブメントって何なのって言うと動きを通しての人間教育です。
人間らしさ、気持ちの移り変わりだったりホリスティックな部分で成長していこうよっていう要素です。
また人間力はコミュニケーション能力が上がることによって上がリます。
そもそもコミュニケーションって95%以上がノンバーバルコミュニケーションって言って言葉を使わないコミュニケーションなんですよ。
表情だったり手振り身振りだったり、その人が出している雰囲気だったりとかが全てです。喋っているものってコミュニケーションにおいて5%しかないんですよ。 つまり、身体で感じるコミュニケーションってでかかったりするんですよね。
それをするためには自分の身体を動きに精通しないとノンバーバルコミュニケーションを使えるんですか?って話。
今は携帯の世の中でコミュニケーションを取れないしマスク社会じゃないですか。顔の表情筋をうまくコントロールできる人っています? あとは本能を呼び戻すってこと。自立した精神とと頭脳を鍛錬してそれを体とどうマッチングさせるか。
ムーブメントプラクティスを取り入れる上での考え方
先ほど哲学のことも話していただきましたが、ムーブメントプラクティスを行う上で最も重要なこととは何でしょうか?
多様性を求める文化で動作学ってもちろんそうだし身体操作もですけど “Diversity Breeds Immunity (多様性による健康性)” という格言がムーブメント界であるのですが、一本の事に精通しながら色んなことに手を出して土台固めをするっていう文化。土台が広ければ広いほどどこまでも高くいけるよっていう考え方なんですよ。
僕がムーブメントに入ったきっかけもアキレス腱を切ったのがきっかけです。 決められたことを絶対やりなさいってことはなくて、原理原則っていうのがキーワードなんです。 原理原則に基づいたものに対してどう自分の身体と心と精神と頭脳、頭、知識っていうのを研究し続けられるかという生き方。
なので原理原則も何よりも大切。人間の身体って誰しもがみんな同じパーツを持っているんですよ。 原理原則に伴ったところでどう動くか。色んな知識を持っていないといけないし、それを人に合わせて組み替えられる脳の回転の速さを持っていないとムーブメントプラクティショナーにはなれないです。
体の原理原則を抑えて、自分に合った動きを完成させていく?
僕も毎日同じことをやっているわけではなく、ゼロフォームと言って自分の身体を整える型みたいなものをやっているだけであとはその日のフィーリングです。
ムーブメントを活用する人々
ムーブメントを活用する人は増えてきている?
実際に色んな方が取り入れていますね。テニスのダニエル太郎君とかムーブメントコーチになるきっかけのキックボクシング世界チャンピオンの江端兄弟。K-1のチャンピオンにもなった事のあるキックボクシングのTAIGA君など広がりつつあるのかなと個人的には思っています。
また、二年前くらいにSHINOBI MOVERというインスタを始めたんですけど日本でも増えてきたんですよね。 僕が始めたころはハッシュタグが300件くらいだったんですけど、今は2万件くらい。 日本でも種目を真似する人は増えてきました。海外だとムーブメント専用のスタジオがあったりとかトップレベルのムーブメントコーチが沢山います。
活動者はMasaさん以外にもいるんですか?
増えてきてはいます。誰かに学んだとかじゃなくて、自分の道のりでムーブメントにたどり着いた方は日本にもちらほらいます。 ただ、オリジンの弟子とかは日本だと僕しかいない。
そういった意味でも、ムーブメントコーチという名前で海外でもワークショップをやったり知られているのは僕以外にまだいないので、もっと増えてきてほしいと思っていますけどね。
これからは増やす活動にも力を入れていきたいですか?
日本ムーブメント協会のアドバイザーさせてもらっていたり、自分でも今年の終わりか来年にムーブメントを作る仕組みを教える会社を創ります。
世界に通用するようなボディワーカー、ムーブメントコーチが生まれるような手助けができれば良いかなって思っていますね。
ムーブメント指導を体験してみた ※フル動画あり
今日は実際に僕も体の悩みがあって…。
筋トレを行なっていく上でどうしても右側の重心が強く、腰の張りや首の張りが強くなってしまいます。こういった悩みに対して、Masaさんのメソッドで指導していただけたりしますか?
もちろんできますよ。一緒にやりましょう。
この記事を動画で見たい方はこちら!
Masa Suzuki
- ParkourEDU (世界共通パルクール講師資格)
- R-body Conditioning Coach
- SMT アクロバット補助資格
- Fighting Monkey 日本公式講師
1991年東京生まれ。日本を代表するパルクール実践者、アクロバット・ダンサー、ムーブメントコーチ。CMやミュージックビデオなどの映像出演、ライブパフォーマンス、セミナーやワークショップ、パーソナルトレーニングから施設や用具のデザインなど幅広くムーブメントに関わる活動をしている。日本やアメリカでプロパフォーマーとして活躍するのち、デンマークにある世界最古の体育学校であり北欧を代表する体操/ダンス/パフォーマンス学校であるオレロップ体育アカデミーに教師として就任。デンマーク帰国後の現在は日本に本場から学んだパルクールやムーブメントを広める活動をしている。
学歴
- 自由学園高等科卒業
- (デンマーク)オレロップ体育アカデミー卒業(パワータンブリング専攻)
- (アメリカ)ウェストモント大学卒業 (身体運動科学専攻)
職歴
- Peak Performance Japan ムーブメントコーチ (2018/10~現在)
- Mission Parkour park Tokyo パルクール/アクロバット/ムーブメント講師 (2018/07~現在)
- GemStone Gym: パルクール/アクロバット講師 (2017/01~2018/07)
- (デンマーク) オレロップ体育アカデミー パルクール/アクロバット講師 (2014/08~2017/01)
講師履歴
- (アメリカ) Prevail Conditioning スペシャルワークショップ ゲスト講師 (2019年5月)
- イオンモール神戸南 パルクールイベント ゲスト講師 (2018年9月)
- 高島屋二子玉川店 パルクールイベント ゲスト講師 (2018年6月)
- (デンマーク) MOVE Copenhagen ムーブメントゲスト講師 (2019年6月)
- Inspire Tour Japan オーガナイザー兼パルクール講師 (2014年12月~2015年1月)
TV出演
- NHK総合 極鬼 ザ・チェイスタグ ~逃げ足NO.1は誰だ~ (2018年10月)
- 特捜警察 ジャンポリス (2018年9月)
- フジテレビ 日本よ!世界を倒せ!フジヤマ! (2018年1月)
- トーキョーフィットネス株式会社 代表
- パーソナルトレーナー
大手フィットネスジムにて実績を積み、フリーランスのパーソナルトレーナーへ転身。現場において1000人以上の方へ指導・カウンセリング・コミュニケーションをとってきたことから、フィットネスのための情報をより多くの人に発信していきたいと思い「トーキョーフィットネス」を開設。
また、銀座のブライダルドレスショップと提携をし、ブライダルのためのボディメイクサポートプランも手がける。
■生年月日 1997年12月15日
■出身地 青森県出身
■保有資格
・NSCA-CPT(全米エクササイズ&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)
・Animal Flow Lv.1 Instructor
<編集・文/トーキョーフィットネス編集部 写真/秋田、Masa Suzukiさん提供>
まずは、自己紹介というか活動状況も含めて現在の状況を教えてもらっても良いですか?