ベンチプレス100kgを上げるためにはどのくらいの期間が必要なのでしょうか?
こんな悩みがある方のために、現役パーソナルトレーナーで、ベンチプレス130kgが自己ベストの私が、ベンチプレス100kgを上げるための方法や期間について解説し、また、メニュー・トレーニング頻度・食事方法についてもお伝えします。
本記事内には、ベンチプレスで世界記録を持っている佐竹優典さんのフォーム解説もありますので、ぜひご覧ください。
- トーキョーフィットネス株式会社 代表
- NSCA-CPT(全米エクササイズ&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)
- Animal Flow Lv.1 Instructor
目次
ベンチプレス100kgを上げるための期間
結論、どれだけ初心者でも正しく行えば1年で達成できるでしょう。
また、今の状態で60kgが上げられる人であれば半年での達成も可能です(当然ながら、やり方や進め方を理解していて、忠実に再現できた場合に限ります)。
ただ、例えば途中で怪我をしたり、休む期間があったりと人それぞれの部分が大きいため、それ以上かかってしまうこともあります。
ではなぜ1年で達成できるのかを、私が達成することができた経験や、指導してきたクライアント様の経験・平均的な期間を元に解説していきます。
100kg上げた私の実ストーリーを公開
私が初めて100kgのベンチプレスを上げたのは2018年の4月でした。
嬉しかったので今でも覚えています。
下記に、達成するまでに至ったストーリーを示します。
①2017年4月、ゴールドジムへ入会し本格的にトレーニングを開始する。
それまでは、高校野球部時代からエニタイムで筋トレをしていて、ベンチプレスは実は90kgまで持てました。
②そこから「仕事が忙しい」を理由に行ったり行かなかったり。また、やり方や進め方もわからず、全然ベンチプレスが伸びませんでした。
③2018年3月、仕事自体をパーソナルトレーナーへ転職し、しっかり勉強しながら行うと1ヶ月で90kg→105kgまで伸びました。
このストーリーを見ると、
「最初から90kg上げられてるのにも関わらず、そこから1年もかかるのか…」
と感じるかと思います。
ただ、私自身、初めてベンチプレスを持った30kgから90kgまでは1年以内に達成しています。しかも、やり方や進め方もかなり雑でした。
③の時期のように、知識を身につけ始めた瞬間、1ヶ月で15kgを伸びたことを考えれば、どれだけ雑なやり方でやっていたのかわかります。
私自身パーソナルトレーナーとして100人以上のベンチプレスを見てきましたが、1ヶ月もあればほとんどの人が50〜60kgを持ち上げられています。(男性の場合)
この章の内容をまとめると、正しいフォームや進め方を行うことで、
となります。
100kg達成までの平均期間は?
ベンチプレス100kgを達成するためには、1年あれば可能と前述しましたが、その理由として、私が指導してきたクライアントの方々の傾向とから分かった平均的な期間です。
実際に、2年かかる人もいれば1年以内で達成する方もおり、半数以上は1年以内に達成している人がほとんどです。
ただ、これはあくまでも目安であり、個人の努力やトレーニング方法によって大きく変わります。
上記の方々は、私が指導したように、パーソナルトレーニングを受講しながら、自分でも努力した方々の結果ですし、例えば、トレーニング経験が未熟な方や遺伝的に筋肉がつきづらい体質の人は、もう少し時間がかかる場合もあります。
このように、平均で見れば1年での達成は可能と言えます。
ベンチプレス100kgを早期達成するためのポイント
ベンチプレス100kgを1年もしくはそれ以上の早さで達成するためには、以下の3つのポイントが重要になります。
- 正しいフォームで行う
- トレーニングメニュー・頻度を正しく組む
- 食事・栄養管理を行う
この3つは当たり前のように思いますが、100kg達成するためには、より適切に行う必要があるります。
ここからは、上記3つのポイントについて詳しく解説していきますので、ぜひご覧ください。
ベンチプレス100kgのための正しいフォーム
トーキョーフィットネスでは、パワーリフテイング世界チャンピオンの佐竹優典(さたけゆうすけ)さんに、ベンチプレスのフォームを解説いただきました。
100kgを達成するための正しいフォームを身に付けたい方は以下のポイントに気をつけてみましょう。
- バーの乗ってる手のひらに対して、肘の位置、前腕、肩甲骨を真っ直ぐ保つ。
- バーを下ろすときに肩甲骨を下制して、適切なブリッジを組む。それによって、ボトムでもその3点(肘の位置、前腕、肩甲骨)が守られる。
- 足にも力を入れるが、足から伝わる力のベクトルとバーの軌道のベクトルを一致させるのが理想。
また、佐竹さんに解説いただいたベンチプレスの正しいフォームについて詳しく知りたい方はこちらの記事もぜひ参考にしてください。
ベンチプレス100kgのためのトレーニングメニュー・頻度は?
ベンチプレス100kgを達成するためには、正しいトレーニングメニューと頻度が大切です。
結論、ベンチプレスを強くするためには、ただベンチプレスを行うだけではなく、以下のトレーニングメニューも取り入れる事が重要です。
- 胸・肩周りのトレーニング
- 上腕三頭筋のトレーニング
- 背中のトレーニング
ここからは、この二つをトレーニングメニューに取り入れる理由や、これらのメニューを行う頻度について詳しく解説していきます。
胸・肩周りのトレーニング
- インクラインベンチプレス
インクラインベンチプレスを行うことで、ベンチプレス時のラックアップ時など肩の安定感が出てきます。またシンプルに、バリエーションとして大胸筋上部を鍛えておくことで、ベンチプレス時の出力が上がります。 - ショルダープレス
ベンチプレス系のトレーニングばかりだと、肩はもちろん鍛えられますが、ダイレクトな刺激は得られません。肩の筋肉単体で押す力も強くなると、ベンチプレスをした時に肩が安定し、無駄に肩や腕に力を入れる必要がなくなるのでとても有利になります。
上腕三頭筋のトレーニング
- ライイングエクステンション
ベンチプレスは、肩関節だけでなく、肘関節を伸ばす運動要素も含まれたエクササイズですが、それに関与する上腕三頭筋を鍛えることで、ベンチプレスの重量アップを狙う事ができます。
特にライイングエクステンションは、上腕三頭筋の中でも高強度のエクササイズで、肘周りの強さや押す力を引き上げるのには最も適したエクササイズです。 - プレスダウン
プレスダウンも、上記同様、上腕三頭筋を鍛えるエクササイズで、ライイングエクステンションに比べて、関節に優しく鍛える事ができます。ライイングエクステンションに比べて、強度は落ちるものの、肘の関節に不安がある方や、上腕三頭筋を鍛えるバリエーションとしてはかなり有効的と言えるでしょう。
背中のトレーニング
- チンニング
佐竹さんのフォーム解説でも出てきますが、ベンチプレスでブリッジを組む動きは背中の筋肉が関係してきます。広背筋を鍛えることで、ベンチプレスのフォームが作りやすくなり、また体幹が安定するので出力が上がります。
- ラットプルダウン
こちらもチンニングと同様の理由ですが、チンニングだと肩が上がりやすい場合があるので、ラットプルダウンで丁寧に肩甲骨を動かす意識をしましょう。
ベンチプレス100kgを最短で達成する頻度は?
ベンチプレスを行う頻度ですが、100kgを達成するためには毎日行っても良いでしょう。
佐竹さんもエブリベンチ(毎日ベンチプレス)をしていた時期もあるとおっしゃっていました。
実際に、毎日行うとベンチプレスの技術が身につくという効果があります。
100kgを上げるためには、正しいフォームを早く身につける必要がありますが、スポーツと同様毎日やることで技術(フォーム)の覚えが早いです。
しかし「毎日やっても大丈夫?休まなくても筋肥大するの?」という疑問が生まれます。
対処方法は簡単で、毎日ベンチプレスをしても、疲労管理しながら進めていきましょう。
DAY1 : ベンチプレス90%〜95%で実施+胸を鍛える日
DAY2 : ベンチプレス60%で実施+背中を鍛える日
DAY3 : ベンチプレス70%で実施+腕を鍛える日 …
このように、重量を落とす代わりに丁寧にやる日を作ったりすることで、大胸筋やその他の筋群の疲労を考慮して進めることもでき、その時に安定したフォームを作っていくことが可能です。
逆に、毎日追い込んだエブリベンチは疲労が溜まりすぎるのがデメリットになるので、疲労管理に気をつけながら高頻度に取り組むことがお勧めです。
ベンチプレス100kgを早期達成するための食事や栄養
ベンチプレス100kgを早期に達成するには、とにかく筋肉量を増やすことを一番に考えるべきです。そこで、筋肉量を増やすためには、タンパク質を体重の1.5倍〜2倍の摂取をお勧めします。
しかし、普通の食事をしていては、その量のタンパク質を確保するのは非常に難しいため、プロテインもおすすめとなってきます。
ちなみに下記は、体重65kgでベンチプレス100kgをあげたいと考える人の、プロテインを摂取しない場合の食事例です。
朝食:卵 ご飯 味噌汁 (タンパク質 10gほど)
昼食:お肉や魚などの定食 (タンパク質30gほど)
夕食:お肉類などのおかず ご飯 (タンパク質 40gほど)
<合計タンパク質量:80g 、必要タンパク質量130g>
このように、食事でタンパク質を摂ることを意識しても、必要量には及びません。
そこでプロテインを3回飲むことを考える(1回当たり20gのタンパク質量と仮定)と、合計のタンパク質量が140gとなり、目標数値に達する事ができます。
このように、ベンチプレス100kgを早期達成するためにはプロテインの摂取は必要不可欠と言えます。
ベンチプレスにおすすめのアイテムご紹介
100kgを達成するために、必ず着用してほしいのがリストラップです。
リストラップは手首を固定することができますが、ベンチプレスで手首が安定していないと、無駄に腕や肩に力が入り、正しいフォームを作りづらくなってしまいます。
また初心者でも着用してもいいのか?という疑問もありますが、初心者にこそ必要です。
オススメのリストラップはこちらです。
グロング(GronG)リストラップ
グロングのリストラップは手首を保護する強度も強すぎず弱すぎず、密着感が特徴的です。
ここまでしっかりした素材で¥1,980で購入できるので非常にオススメです。
リストラップについても佐竹さんが解説してくれています。こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
まとめ
ベンチプレス100kgを上げるための期間は、人それぞれで断言はできません。
しかし、私の経験や100名以上の方のベンチプレスを見てきた中で、今回の内容を抑えると1年で達成できる確率は高まります。
ぜひ参考にしていただき、ベンチプレス100kgを達成しましょう!