スクワットの重量を伸ばすにはどのようにトレーニングを進めていけばいいのだろうか?
パワーリフティング世界チャンピオンで、体重66kgながらフルギアスクワットを310.5kgをリフトする、佐竹優典さん。今日は佐竹さんがお薦めするトレーニング方法を伝授。
今日は私がスクワットの重量を伸ばしてきた中で、行ってきた補助種目を解説します。また、本内容のスクワットの重量アップ方法については人によって合う合わないは必ず存在しますので、あくまで私が行なってきた経験をもとにお伝えしています。
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目次
スクワット
私はパワーリフテイングの選手であるため、ここでは競技の練習としてスクワットをガッツリ行います。もちろん、パワーリフターではない方でスクワットを伸ばしたい方も、同様の考えでOKです。
- 回数・セット
回数は1回で高重量をもつセットから、8回を行うセットも行います。
大体5〜6セット行います。
ポーズスクワット
ポーズスクワットはしゃがみきったボトムポジションで2秒ほど静止し、その後切り替えすトレーニング方法です。私もそうですが、大体切り返しのポジションで負けることがあるので、ボトムの切り返しの強化のために行います。
意識するポイントは、なるべく爆発的に上げるようにするということです。
また、止めることでボトムでの安定感、また、左右差も意識できます。フォームの改善にもおすすめのトレーニングです。
- 回数・セット
4〜6回で2〜3セット
ピンスクワット
ピンスクワットは、ボトムでセーフティラックに一度バーを置いてから切り返すトレーニング方法です。
ポーズスクワットと基本的には同じ目的で行います。
ボトムの安定感、左右差の意識、フォームの改善…など。
セーフティに置くことで左右差をかなり意識できます。また、ポーズスクワットとの違いとして、ポーズだとボトムで自分の気持ち良いところに乗せてなんとなくできてしまいます。ピンスクワットだと、一回セーフティにおいて、デッドストップから始まるので瞬発力も求められるのです。ボトムでの力の入れ方・ボトムでの腹圧など、これらはポーズより難易度が高まります。
置いた時は100%置くけど自分で力を抜かない。
ベンチプレスもスクワットも高重量を上げるポイントはボトムの強さだと思っています。
ポーズスクワットやピンスクワットでスクワット動作時のボトムの強さを鍛えていきましょう。
- 回数・セット
4〜6回で2〜3セット
テンポスクワット
テンポスクワットは動作のスピードを決めて、ゆっくり落としていくトレーニング方法です。
基本的にはポーズスクワットやピンスクワットと同じ目的で行いますが、その二つより重量を扱うのが難しくなります。そのため、より丁寧なトレーニング方法だと言えます。
導入例としては、例えば、スクワットで下ろす動作がぶれたり、苦手な人はテンポでゆっくり練習するのが好ましいでしょう。
- 回数・セット
4〜6回で2〜3セット
ポーズスクワット・ピンスクワット・テンポスクワットは目的自体は似ているので、スクワットの日(脚トレーニングの日)にはこの3つのどれか一つを組み込むという形にしています。3つ全てやることはほぼありません。
ブルガリアンスクワット
お尻のトレーニングとして行います。
お尻を鍛える理由はスクワットもデッドリフトも股関節伸展の動作のためです。
股関節の力は一番出力が出る動きなので、そこを鍛えていきます。
あと、私が世界大会などで強い選手を見てきましたが、強い選手にお尻が弱い選手はいません。
- 回数・セット
10回 3セット
ヒップスラスト
ヒップスラストもお尻のトレーニングですが、ブルガリアンスクワットはストレッチ種目、ヒップスラストは収縮種目として行います。収縮の意識をしっかり持ちたいので回数は多めにしていきましょう。
動作としては上でしっかり止める意識。
スミスでやることが多い。
下ろす時よりは上げる時の意識を強める。
- 回数・セット
15回 3セット
- ストレッチ種目とは、筋肉が伸びた状態のときに1番負荷がかかる種目を、ストレッチ種目と呼びます。
- 収縮種目(コントラクト種目)は筋肉が収縮したときに1番負荷がかかる種目です。
例)
ストレッチ種目→ダンベルフライ・インクラインカール
収縮種目→ペックフライ・コンセントレーションカール
ある日のトレーニング種目例
- スクワット
3rep 2set , 8rep 3set - ポーズスクワット(ピンスクワットまたはテンポスクワット)
4rep 3set - ブルガリアンスクワット
10rep 3set - ヒップスラスト
15rep 3set
まとめ
スクワットの重量を上げるためには、基本的にはスクワットをやり込むことが重要です。
ただ、レベルが上がってくると、左右差やフォームが崩れて重量が伸びづらくもなります。
その時に、ポーズスクワットなどのバリエーションが効いたスクワットを行うことで、さらに重量を伸ばせる可能性が広がるのです。
ぜひ参考にしていただければと思います。
<編集・文/トーキョーフィットネス編集部 監修/佐竹優典 写真/佐竹優典提供、編集部>
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初心者のうちは使わない方がいいということも言いますが、使って安定したフォームと出力で伸ばしていった方が結果的に扱う重量は多くなります。
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佐竹優典(さたけ・ゆうすけ)
(スクワット、ベンチプレス種目別1位)
ベスト記録(ノーギア66kg級)
スクワット235kg
ベンチプレス 152.5kg
デッドリフト 252.5kg
トータル 635㎏
■ベスト記録(フルギア66kg級)
スクワット310.5kg(日本記録)
ベンチプレス 222kg(世界記録、日本記録)
デッドリフト 270kg
トータル 785㎏(日本記録)