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ベンチプレス60kgはすごい?実際の見た目や停滞時の対処方法を解説

ベンチプレス 60kg 見た目
ABOUT US
笹森 大生トーキョーフィットネス株式会社 代表取締役
現役パーソナルトレーナーとして年間1,500本のパーソナルトレーニング指導を行うと同時に、「個々にあったジムを正しく選んでほしい」という考えから、当メディアを開設。 これまで、都内を中心に200店舗以上のパーソナルジム・フィットネスジムを取材。
<資格・実績>
NSCA-CPT(全米エクササイズ&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)/トーキョーフィットネス株式会社 代表/Animal Flow Lv.1 Instructor/T-Fitness 事業責任者

ベンチプレスは、筋トレ愛好者の男性に非常に人気のある種目で、扱える重量が増えていく喜びを実感しやすいトレーニングです。

特に筋トレの話題では「ベンチプレス、今何キロ上がる?」といった会話が頻繁に出るほどで、ベンチプレスの重量を上げられることは、筋トレを趣味とする人々にとって一種のステータスとも言えます。

こうした背景から、現在ベンチプレスに取り組んでいる方の中には、「60kgを目標にしているけど、これってどれくらいのレベルなんだろう?」「周りから見てすごいと言えるのかな?」といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

今回は、現役のパーソナルトレーナーとして数百人の男性にベンチプレスを指導してきた私が、「ベンチプレスで60kgを上げる人はどの程度のレベルなのか」「それは“すごい”と言えるのか」について解説していきます。

また、130kgのベンチプレスを持ち上げる現在の私が、60kgを上げていた当時の見た目も公開し、停滞している人への対処方法も解説します。

これからベンチプレスを頑張ろうと思っている方の目標の一つとして参考にしていただければと思います。

ベンチプレス60kgはどのくらいのレベル?すごい?

結論、ベンチプレス60kgは、筋トレ歴0年〜1年ほどの初心者にとってはすごいと思われる数字であり、1年以上継続していて筋トレが習慣化している方からしたら標準と見れる数字と言えるでしょう。

ある研究では、100名以上筋トレ経験のない男女を被験者にベンチプレスを行ってもらったところ、男性の平均は約40kg、女性は20kgという結果となっています。
(参考文献:週1回の大学授業における筋力トレーニングが筋力に与える影響

つまり、初心者にとっては60kgを上げるためには継続的なトレーニングが必要となるため、最初の目標にするにはとてもいい目標と言えます。

現在指導している男性で60kgを上げる割合

私は2024年現在、外苑前にあるパーソナルジムでたくさんの方にベンチプレスの指導をしていますが、トレーニング歴1年未満の初心者の方でベンチプレス60kgを上げられる人の割合は、50%程度です。

1年以上継続していくと70%の確率で上げられています。

もちろん、ライフスタイルによって筋トレに取り組む頻度や質は全く異なりますが、これらの経験から、60kgを上げられるようになる人は、一般レベルで考えてもすごいことなのではないかと、私は考えています。

ベンチプレス60kgを10回あげられると何キロ上がる?

ベンチプレスを行う際によく使われる方法の一つに、「〇〇回できたら○キロ上がる!」といったように、重量と回数を用いて最大挙上重量(1RM)を換算する方法があります。

この方法はトレーナーもよく用います。その理由は、初心者の方の場合、関節や筋肉がまだ十分に発達していないため、1回が限界の重さに頻繁に挑戦すると、怪我のリスクが高まるからです。

わざわざ限界重量に挑戦しなくても、ある程度の重量と回数から1RMを推定することで、怪我のリスクを避けつつ、自分の現状のレベルを把握できる仕組みとなっています。

下記は参考にしていただきたいベンチプレスの換算表です。

重量 / 回数23456789101112
404243444546474849505152
42.54546474849505152535455
454748505152535455565759
47.55051525355565758596162
505354555658596061636465
52.55556585960626364666768
555859616263656667697072
57.56062636566686970727375
606365666869717274757778
62.56667697072737577788081
656870727375767880818385
67.57173747678798183848688
707475777981828486888991

この表を参考にすると、ベンチプレス60kgを10回上げられる人は、推定で75kgを挙上できることになります。しかし、個々の特性によって、1回の最大挙上能力が高い人や、回数を重ねる能力が高い人などがいるため、一概には言えません。

そのため、60kgを10回挙げられる人の中には80kgを上げられる人もいれば、70kgしか上げられない人もいる、ということです。

ちなみに、私自身の例では、ベンチプレス100kgを3回しか上げられなかった時期でも、115kgを一度挙上することができました。

この経験から考えるに、フォームの習得や力の入れ方の改善といったスキルが向上し、上級者に近づくほど、単純な換算式では測れない出力が発揮されるようになるのだと考えています。

ベンチプレス60kgを上げた時の見た目は?

実際、ベンチプレスに取り組んでいる人は、「大胸筋をカッコ良くしたい」などと見た目のために取り組んでいる方がほとんどなのではないでしょうか?

ここからは、実際にベンチプレス60kg以上を目指している方のために、私が60kgを挙げていた時の見た目を公開し、一つの物差しにしていただければと思います。

私自身が60kg10回あげていた時の見た目

ベンチプレス 60kg 見た目
2017年の筆者

この頃はベンチプレスを60kg10回上げることができ、80kgを1回上げられていたくらいのレベルでした。

見てもらってわかるように、それでも大胸筋や三角筋は一般の方に比べたら少しは発達しています。

ちなみに、ベンチプレスを100kg上げられるようになった時の見た目については下記の記事でご紹介しています。

ベンチプレス 100kg 割合

ベンチプレス60kgで停滞している人におすすめの対処方法

筋トレ初心者の方がベンチプレス60kgを達成するためには、以下のポイントを抑えることが重要です。

  • 正しいフォームを身につける
  • ベンチプレスの頻度を増やす
  • 関連する筋肉を増やす
  • タンパク質を適切に摂取する

ここからは、それぞれの項目について詳しく解説していきます。

正しいフォームを身につける

ベンチプレスで60kgまで上げられていない人の多くは、正しいフォームを身につけられていないことが多いです。

というよりも、そもそも正しいフォームを把握していなかったり、何をどうしたらいいかわからないという方がほとんどなのではないでしょうか?

当メディアでは、ベンチプレスで世界記録を取得したことがある佐竹優典さんにベンチプレスの正しいフォームについて伺った記事があるので、今回はその内容から一部抜粋してお伝えします。

  1. バーの乗ってる手のひらに対して、肘の位置、前腕、肩甲骨を真っ直ぐ保つ。
  2. バーを下ろすときに肩甲骨を下制して、適切なブリッジを組む。それによってボトムでもその3点(肘の位置、前腕、肩甲骨)が守られる。
  3. バーベルの下ろす位置はその人のブリッジの組み方によっても変わるが、ブリッジを組み、3点を守りながら下ろすとバーの位置は自然に胸の高い位置に落ちる
  4. 足の位置は引きすぎないようにします。
    引きすぎると腰椎伸展(腰から反りやすい)になりやすいので、胸椎の伸展(胸を張る)を目指します。
肩甲骨の下制をすると、バーは自然に胸の高い位置に落ちる

関連する筋肉を鍛える

ベンチプレスの重量を伸ばすためには、動作に関与する筋肉である「大胸筋」「三角筋」「上腕三頭筋」等を鍛えるようにします。

生理学上、基本的には筋肉量=筋力と考えることができますが、まずは土台となる筋肉量がなければいけません。

また、意外と忘れがちですが広背筋などの背中の筋肉を鍛えることも重要です。

直接的にはベンチプレス時の押す動作では使用されませんが、正しいフォームを作る際にブリッジを形成するために大きく関与する筋肉です。

広背筋も鍛えられることで、より安定したベンチプレスを行うことができます。

ベンチプレスの頻度を増やす

ベンチプレスの重量を伸ばすためには、筋肉量を増やすことが重要と先述しました。正しく筋トレを行うと筋肉痛などが起こり、そこから回復させることで筋肉が発達します。

つまり、各部位を鍛えたりそのサイクルを回そうとすると、ベンチプレスができるのは1週間に1回か2回くらいと言えるでしょう。

実はベンチプレス60kg以上を最短で達成するためには、この考え方が落とし穴なのです。

ベンチプレスの重量を伸ばすためには、当然、筋肉量や筋力が必要ですが、それ以外にも「フォームの熟練度」も重要になってきます。

スポーツをイメージしてもらうとわかりやすいですが、1週間に1回の練習よりも毎日やったほうが上手くなりますよね。

ベンチプレスも全く同様で、週に2〜4回などと頻度を高めることで、熟練度が増し、鍛え上げた筋肉を出力として発揮しやすくなるのです。

もし高頻度でベンチプレスができそうな方は、「週に1回は、しっかりと追い込む日」・「残りのベンチプレスは限界の50〜70%」で行う日などと分けて、行うようにしてみてください。

50〜70%の強度で行うときは、例え大胸筋や上腕三頭筋が筋肉痛であっても、目的が筋肉を鍛えることではなく、ベンチプレスをたくさん行うことなので、実施して問題ありません。

タンパク質を適切に摂取する

ベンチプレスを伸ばすためには、タンパク質をしっかり摂取し、筋力を伸ばすことを意識しましょう。

摂取量は1日に体重(kg)の1.5〜2.0倍(g)を目安に摂取するようにしてください。

とはいっても、「何を今更…」「当たり前に摂取している」と思った方もいるかもしれませんが、「普段取れているから気にしていない」と考えている方に限って、意外とタンパク質が取れていないことが多いです。

今一度基本となる栄養摂取についても、意識するように心がけましょう。

ベンチプレス60kgができたら100kgを目指せる!

今回はベンチプレス60kgのレベル感や、実際に参考にしてもらうために、私自身が60kgで10回行っていた頃の見た目も公開しました。

また記事内には停滞している方のための対処方法も解説しましたが、実はこのやり方を意識するだけで簡単に100kgを達成することができます。

詳しくは下記の記事で解説していますが、60kgを超えてきた方はいよいよ100kgを目指せるレベルにいると言えるので、この調子で引き続きベンチプレスを頑張っていきましょう!

ベンチプレス 100kg