ヨガは日本でもブームが何度も訪れており、今では専門誌が多数出版されるなどますますヨガへの注目が集まっています。そんなヨガには多くの種類があるが、今日ご紹介するのは「ヨガニードラ」です。
そもそもヨガの経験がない方には聴き馴染みの少ないヨガニードラ。どのようなもので、どういった効果があるのでしょうか。ヨガインストラクターで『おやすみ瞑想ヨガニドラー育成トレーナー』でもある高橋エマ(たかはし・えま)先生にお話を聞いてきました。
ヨガの効果
——ヨガにはたくさんの効果があるとよく目にします。エマさんの中でヨガによる恩恵は何が一番だと感じますか?
——体が柔らかくなったりという効果より、今おっしゃった精神的なコントロールが強くなるということでしょうか。
もちろん体は柔らかくなります。
人の考え方次第ではあると思いますが、私は体がしなやかになるというのはヨガを行うことによる副産物だと捉えています。
日本でヨガが広まったのはスポーツジムやホットヨガスタジオなどで、ポーズを練習をすることで沢山汗をかいて、肉体機能を向上させたり、スタイルアップなどのボディメイクを目的にした動くヨガが流行ったおかげです。
そういった運動としてヨガを練習していても、不思議なことに、ヨガをすると気持ちがスッキリするなあと感じる方が多くいらっしゃいます。
ヨガを練習していると、自然と先ほど話した精神的なコントロールの良さというのを感じてくるんです。
——人によっては自分でヨガをやらなくても心の整理がつけられる人もいると思います。
心の整理をつける時というのは、〝きっちり整理していこう”というマインド(思考)が働きます。実はその瞬間、心の中では緊張が走ってるんです。
ヨガで心を整理することというのは、「心の緊張」をとり外した状態を保つことでもあります。
私が伝える「癒しの月ヨガ」や「おやすみ瞑想ヨガニドラー」は、「これをこうするぞ!」というのとは反対のことをしていきます。
体を休める、心を緩めるヨガです。
癒しの月ヨガというクラスは、動きも少なく無努力で心の整理を行えるクラスなんです。
エマさんが行っている『癒しの月ヨガ』について
——癒しの月ヨガとはどういったレッスンなのでしょうか?
「月の満ち欠け」、「ヨガニドラー」、「リストラティブヨガ」、「マントラ」などのヨガをベースに私がオリジナルで作ったヨガスタイルです。脳科学や心理学の要素も盛り込まれています。
リストラティブヨガは、ヨガブロックや、ボルスターなどの道具を補助器具にしながらポーズをとります。自分でコントロールしてポーズをとる必要がないので、無意識に入ってしまう身体の緊張がとれます。
ヨガニドラーは声の誘導をききながら、心を緩めていき、緊張感をとります。
意識はうとうとと、眠っているのか起きているのか分からない狭間に誘われるんです。
くわえて、月が私たちに与えているエネルギーを意識することで、人間が本来持っている「自然治癒力」を高めてくれます!
「癒しの月ヨガは」「究極のリラクゼーション」とも言われています。
スタジオでのレギュラークラスもしていますが、毎月、新月・満月の夜には「癒しの月ヨガ」をオンラインで開催しています。
また、月の満ち欠けが女性の月経の周期に似ているというところもあります。女性ホルモンのバランスを整える効果もありますよ!
月の満ち欠けのサイクルは29.5日。
日々変わるゆく月のエネルギーと、生活の様々な影響により《ゆらぐ》私達の心身とは深い関係があり、
新月から満月までの期間を「アクティブ期」、満月から新月までの期間を「デトックス期」と呼ぶ。
「アクティブ期」は月が満ちていくように様々な栄養を吸収していく姿勢でヨガと向き合い、「デトックス期」は月が欠けていくように老廃物を排出する姿勢で向き合う。
月には「月星座」というものが存在し、月の満ち欠けの間、約2.5日ごとに次の星座へと移動。
月星座には人間の身体と「リンク」する箇所があり、リンクする箇所を手当てすると普段の何倍も回復し、反対に負担をかけると怪我につながる恐れもある。
「癒しの月ヨガ」は、月のサイクルを意識しポーズや呼吸法など行うハタヨガ、道具に身を委ねて行うリストラティブヨガ、仰向けになって瞑想するヨガニドラー、これら3つの要素を合わせた、体と心を本来の姿に戻し整える究極のリラクゼーションであるという。
ヨガニードラとは?
——癒しの月ヨガではいくつかの要素が含んだヨガだということですね!その中にあるヨガニドラーとはいったいどういったものなのでしょうか?
「ヨガニドラー」は仰向けの状態で意識を覚醒したまま行う優しい瞑想です。
「ニドラー」はサンスクリット語で「眠り」を意味していて、
ヨガニドラーは講師の声を聴きながら、体や五感を意識します。
すると、うたた寝している時のような、まどろみ状態になり、
さらに、親指・人差し指・中指と、体を細かく意識するように誘導していくと受け手は、だんだん無重力・・・というような心地のよい感じになっていきます。
その時、瞑想している時と同じ、自然に高い集中状態になります。
瞑想なので眠るわけではないですが、睡眠以上の安らぎと脳の疲労回復を実感できるヨガなんですよ!
10分のヨガニドラーで1時間眠ったのと同じ回復力があるんです。
ヨガの恩恵として、心の深いところに働きかけることができて、積み重なった緊張や、イライラ、不安感、過去のトラウマも解き放つことができるようになったり、理想の自分を引き寄せることもできるんですよ。
——よくこういう話をすると、ヨガってスピリチュアルだよねって言われますよね。(笑)
そうですね!
見えない力に対しては「スピリチュアル」と感じますよね。
例えば、心って見えないですよね?
けど、その見えない心が求めた食事をしたり、行動をしてませんか?
喜んだり、悲しんだり、怒ったりしていませんか?
そんな風に、心は見えないけど、心を表現することはできるんです。
安らぎには形はないけど、安らいだ自分を知ることはできます。
それがヨガです。
またヨガニドラーは科学的にも脳に良いと証明されています。
『おやすみ瞑想ヨガニドラー』養成講座を開講
この度、おやすみ瞑想ヨガニドラー指導者養成講座を開催することが決まりました!
——発起人として開催するということでしょうか?
そうです。
これからはヨガニドラー育成講師としても活動します。
ヨガニドラー自体は昔からある伝統的なヨガの練習方法ですが、私ならではの講座内容にしてます。
資格を取って終わりではなく、ヨガニドラーを自信を持って指導できるようになるまで、寄り添って指導します。
また、卒業後も繰り返し学んでいただけるような、コミュニティも準備していますし、
今回の講座を受けていただくことで、「おやすみ瞑想認定ヨガニドラー講師」として活動していただくことができます。
他にも、さまざまな特典がありますので、ぜひ養成講座のHPを見てください。
——まだ受講者の募集はされていますか?
ありがたいことに、今のところ6月の1期生、8月の2期生、10月の3期生までは全て満席となりました!
今後として、第4期生を募集しています。
——エマさんの今後の展開としては「おやすみ瞑想ヨガニドラー」を広めていくということになっていきますね!
今日はありがとうございました!
高橋エマ(たかはし・えま)
ヨガインストラクター・ライター・おやすみ瞑想ヨガニドラー指導者養成講座主宰・w.an.fイメージモデル
10代から芸能界に入り17年間に渡り女優として活動、映画、CM、ミュージカル、演劇に出演した。
ダンスでの過度な練習により怪我をおった事やストイックに生きてきた自分に対して、休息をとる方法としてヨガを学びはじめる。
2017年にヨガインストラクターに転身。
ヨガ哲学、脳神経科学、心理学を学び、心に癒しをもたらす「癒しの月ヨガ」「ヨガニドラ」「リストラティブヨガ」「マントラ」などの瞑想クラスを中心に伝えている。
それら癒しのヨガをベースにしたオリジナルスタイル《癒しの月ヨガ》を確立した。
毎月、新月・満月の夜には「満月の癒しの月ヨガ」を開催することを続けている。
ヨガを通して自分の内側に宿る癒しの力に気づき、健やかに生きていくサポートをすることをライフワークとしている。
2021年300名規模のオンラインヨガイベント「品川シーズンテラスヨガ」に登壇。
これまでに、lululemon、UNDERARMOUR、w.an.f、Real Stone、イオン、ゴールドジム、湘南T-SITE蔦屋書店、青山グランドホテルなど、多方面に渡りイベントクラスを担当している。
2022年6月より【おやすみ瞑想ヨガニドラー指導者養成講座】を開講。
< Interview:笹森大生/Photo:秋田>
心のコントロールができるようになるというのが一番だと思います。
普段の生活では、絶えず嬉しいこと、辛いこと、かなしいことが起こりますよね。その度に喜んだり、イライラしたり、落ち込んだりと私達は感情的になります。
どれも当たり前のことです。ですが、どの感情にも言えることは、気持ちの振り幅が大きいとストレスの原因になるんです。
ストレスは緊張状態のことを現すのですが、そのままでいると、心が病んでしまうこともあります。
ヨガをすることで、真ん中の自分を知ることができます。
楽しいことや辛いことが二つあった時に、自分はどっちを選択するかという心のコントロールができるようになるので日々の精神状態が安定するんです。