睡眠は私たちの健康にとって非常に重要な問題が含まれています。私たちが十分な睡眠をとらないと、その結果、健康上の多くの問題が引き起こされることが知られています。
しかし、睡眠不足は健康状態だけでなく、あなたが目標としているダイエットにも深刻な影響を与えることがあります。この記事では、睡眠不足がダイエットに与える関係性や影響について論文も交えながら解説します。
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目次
夜更かしは要注意!睡眠不足がダイエットに関係する理由
睡眠不足はダイエットの進行を妨げます。
ここではその理由を解説します。
睡眠不足がダイエットに与える影響は、意外にも深刻です。
食欲が増進されてしまう
睡眠不足が続くと、身体が必要とする栄養素を摂取しようとするため、食欲を増進させるホルモンであるグレリンが増加し、食欲を抑えるホルモンであるレプチンが減少します。そのため、睡眠不足に陥ると、空腹感を感じやすくなり、ついつい食べ過ぎてしまいがちです。
新陳代謝が落ちる
また、睡眠不足は、身体の新陳代謝にも影響を与えます。身体が疲れている状態が続くと、代謝が低下し、カロリーを消費する能力が減少します。そのため、同じ食事を摂っているにもかかわらず、睡眠時間が不足していると、ダイエットの効果が現れにくくなることがあります。
ストレスによる体重増加
さらに、睡眠不足はストレスを引き起こし、ストレスによって体重が増加することがあります。ストレスは、腹部に脂肪が蓄積しやすくなるホルモンであるコルチゾールの分泌を促進し、体重の増加につながることが知られています。
睡眠とダイエットの関係性を論文でさらに解説
近年、睡眠とダイエットの関係性についての研究が進んでおり、多数の論文が発表されています。以下にいくつかの論文を紹介します。
食事と睡眠時間の変化が体脂肪量へもたらす影響
非喫煙の過体重成人10名を対象に、14日間の中程度のカロリー制限を行い、8.5時間睡眠のグループと5.5時間睡眠のグループに分けその効果を比較しています。
その結果、睡眠が5.5時間のグループは脂肪として減少する体重の割合が55%減少し、除脂肪体重(筋肉量など)の減少は60%増加したことが分かりました。
また、睡眠制限によって、カロリー制限に対する神経内分泌の適応の強化、空腹感の増加などもわかり、この研究から、十分な睡眠はカロリー制限食による減量効果を促進するために重要であり、睡眠不足はダイエットやそのための制限した食事の有効性を損なう可能性があることが示唆されました。
(Nedeltcheva, A. V., et al. “Insufficient sleep undermines dietary efforts to reduce adiposity.” Annals of internal medicine 153.7 (2010): 435-441.)
短時間睡眠が及ぼすエネルギー摂取量と消費量
St-Ongeらの研究では、短い睡眠時間が正常体重の人のエネルギー摂取量に影響を与えるかどうか、またエネルギー消費量にも変化があるかどうかを調べました。
まず健康な成人10人(男性5人、女性5人)を対象に、BMIが18.5から24.9 kg/m²の範囲で、短い睡眠時間(1晩4時間)と通常の睡眠時間(1晩9時間)の2つの条件にランダムに割り当てました。
各条件で、参加者のエネルギー摂取量と消費量を測定した結果、短い睡眠時間のグループが摂取エネルギーの増加に有意な結果をもたらしたことが分かりましたが、エネルギー消費量には両軍において変化がなかったということでした。
このことから短時間睡眠だとエネルギー消費量には変わりがないが、食欲増進によりエネルギーの摂取量が増えるということが考えられます。
(St-Onge, M. P., et al. “Short sleep duration increases energy intakes but does not change energy expenditure in normal-weight individuals.” American Journal of Clinical Nutrition 94.2 (2011): 410-416.)
睡眠時間が及ぼす二型糖尿病または血糖値異常のリスク
Chaputらの研究では、睡眠時間が2型糖尿病や血糖異常の発症リスク要因となるかどうかを調べました。
この研究では、1,009人の家族を対象に、彼らの睡眠時間を調査し、2型糖尿病や血糖異常の発症との関連を調べました。その結果、睡眠時間が6時間未満の人は、睡眠時間が7-8時間ある人と比較して、2型糖尿病や血糖異常のリスクが有意に高かったという結果が得られました。
さらに睡眠時間が9時間以上の人々も、リスクが高かったことが報告されています。
この研究は、短い睡眠時間もですが、長すぎる睡眠時間も2型糖尿病や血糖異常の発症に影響を与える可能性があることを示唆しています。
(Chaput, J-P., et al. “Sleep duration as a risk factor for the development of type 2 diabetes or impaired glucose tolerance: analyses of the Quebec Family Study.” Sleep Medicine 10.8 (2009): 919-924.)
ダイエット中の人必見!ダイエットに適した睡眠時間は?
上述した論文などの解説から見ると、ダイエットに適した睡眠時間は7〜8時間の睡眠がベストだといえるでしょう。
それ以上少ない睡眠時間になると食欲の増進や新陳代謝の低下による脂肪の蓄積が起きやすくなり、また多すぎても血糖以上になる可能性があることから、少なすぎず長すぎずがいいと言えます。
睡眠時間を確保するためには
睡眠時間を確保するためには、以下のようなことが役立ちます。
睡眠環境の整備
静かで暗く、快適な温度や湿度の部屋を用意しましょう。また、ベッドや枕、寝具も快適なものを選びましょう。
睡眠のリズムを整える
毎晩同じ時間に寝て同じ時間に起きる習慣を身につけましょう。また、寝る前にはリラックスする時間を設け、スマートフォンやパソコンなどの電子機器は寝室から遠ざけましょう。
食生活の改善
就寝前に過剰な食事を避け、アルコールやカフェインの摂取を控えましょう。また、健康的な食生活を維持することで睡眠の質を向上させることができます。
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適度な運動
適度な運動は、健康的な睡眠の維持に役立ちます。ただし、運動は就寝前には控えるようにしましょう。
ストレスの軽減
ストレスが睡眠に悪影響を与えることがあるため、ストレスを軽減することが大切です。リラックスした音楽を聴いたり、ヨガや瞑想を行ったりすることでストレスを軽減することができます。
これらの方法を取り入れることで、より良い睡眠習慣を確立し、健康的な睡眠を確保することができます。
まとめ
十分な睡眠がダイエットに与える影響は大きく、睡眠不足が身体に様々な影響を与えることがわかりました。睡眠不足によって食欲が増進され、新陳代謝が低下し、ストレスが引き起こされることで体重が増加する可能性があります。また論文から見ても、睡眠時間が減少するとダイエット効果が現れにくくなることも示唆されています。
私たちがダイエットをする場合、十分な睡眠を確保することが、健康的な体重管理に必要不可欠ですので、是非この記事を参考に心がけてみましょう!