ナローデッドリフトは、腰幅ほどの足幅で行うデッドリフトで王道な方法です。
今日はパワーリフティングルールで、ナローデッドリフトを300kg引き上げる岡野倫太郎さんに高重量のデッドリフトを上げる方法を伝授していただきました。
目次
トレーニングに対する考え方
ーー筋トレを始めたきっかけを教えてください。
高校2年生の時にニュージーランドに留学をしていたのですが、その中で授業の一環として筋トレという授業があり、その時が始まりでした。
本格的にやろうと思ったのは、高校生の時に好きな女の子に告白して振られたからです。「私は筋肉がある人が好き」と言われました。
そこから見返してやろうと思い筋トレに打ち込み、筋肉をつけてからその子に再告白したら「筋肉つけすぎ」って振られました。(笑)
ーー人間らしい目的があって素敵だと思います。
モテたいというのは常日頃から思ってます。思っているというより、潜在的に自分の中で考えているというか。(笑)というよりも人からよく見られたいと思って生活しているので筋トレというのはそういう意味でも自分にあってます。
ーーそこからパワーリフティングへチャレンジするまでにはどういった経緯があったのでしょうか?
その後も流れでただただ体を鍛えていました。
このままただ筋トレしてるだけだとつまらなかったし、その中でも何かチャレンジしたいなという思いもどこかにあったんです。
あと、負けず嫌いということもあり、その負けず嫌いを生かせることは何かと思い競技にチャレンジしようと。それがパワーリフティングでした。
パワーリフティングの魅力
ーーフィジークやボディビルという競技もありますがなぜパワーリフティングにしたのでしょうか?
もちろんボディビルフィジークも限界を超えなければいけないのですが、パワーリフティングはもっと限界を超える必要があります。
というのも数字として限界というものが表現されますし、その数字を伸ばしていくということが限界を超えていくということです。1キロでも伸びれば限界を突破してるということですから!
フィジークなどは見た目が記録ですが、パワーリフティングは数字が記録。それが魅力ですよね。
高重量ナローデッドリフトを上げる秘訣を解説
ーーパワーリフターはワイドデッドリフトをする人の方が多い印象ですが、倫太郎さんはナロースタンスを貫いていますね。
デッドリフト=ナロー でしょ!と思っています。(笑)
ーー今日は実際にナローデッドリフトを話せる範囲内で解説していただけますか?
もちろんです!
動作解説
※腹筋にしっかり力が入れられているかの確認のために行う。
※踏み込むときに腹筋に力を入れる。
挙上する際は、バーベルにスネをぶつけるイメージの「踏み込み」が一番大事です。
踏み込む時にしっかり四頭を使うことで高重量を上げられます。もちろんハムストリングスも勝手に効いています。
脚で押す。握ったら話さない。それ以上は考えすぎないようにします。
高重量を扱う時はそのマインドが意外と重要です!
左右差に気をつける
オルタネイトグリップでやる人は骨格の歪みに敏感になって欲しいと思っています。
それでずっとやると体が歪んできます。トレーニングの一環としてデッドリフトを行う人は交互に手を入れ替えてやって欲しいですし、パワーグリップなどを使って行って欲しいです。
足でおす。後はあまり考えないようにしてます、あとは握ったら離さない。(笑)パワーリフティングではそれが絶対大事だと思います。
ナローデッドリフトのための補助種目
スクワット
結局デッドリフトは脚だと思っています。ナローデッドリフトを伸ばすならスクワットをしっかりやりこむことです。
また、僕の場合はスクワットもナロースタンスで行っているため、それがそのままデッドリフトに活かせています。
デッドリフトを伸ばすためならばスクワットもナロースタンスでフルスクワットがおすすめです!
ブルガリアンスクワット
つまりスクワットも強くするとデッドリフトが強くなります。その二つをさらに成長させるためにはブルガリアンスクワット一択です。
スミスやダンベルで行う方もいますが、バーベルで行うのを勧めます。その方がよりスクワットに近い状態で行えるのでさらに効果的です。
レッグプレス
レッグプレスはデッドリフトの時に地面を足で押す感覚と、動きが似てるため、デッドリフトに生きると思います。
スタンスもデッドリフトと同じ足幅でフルボトムで行うとより良いです。
プログラム
基本的に週5で、毎回全身を鍛えるトレーニング方法で行っています。
デッドリフトは腰に負担が来るので、高回数もやらないですし、週1でいいと思います。回数はやっても5レップです。
プログラムの内容は、
パワー始めた当初はshoさんの9weeksプログラムでトレーニングしてました。
今はジャクソン(Jackson Miller)にコーチングをお願いして相談しながらメニュー作成してもらってます。
トレーニングではセットや回数はかなり重要なので、僕自身もメニュー作成をコーチにお願いしています。
強くするにはとにかく炭水化物!
ーー食事は何か意識されていますか?
食事は全く気にしてないですね。
ただ、重量を上げていくためには炭水化物だと思っているので、必ず摂取するようにしてます。
一時期、顔をシュッとさせたいなと思い、少し炭水化物を減らしたのですが、出力がかなり下がりました。
その後また摂取量を戻したらすぐに力が戻ったんです。
その経験から炭水化物をかなり大事にしています。
ーー増量期などは作りますか?
体重は増やしすぎないようにしています。増やしすぎるとベルトの穴の位置や体への負荷のかかり方とか、トータルで見るとフォームが変わります。
なので、増量期でも増やしすぎないようにするのがおすすめです。
逆に増やしすぎて腹圧がキツくなり、出力が落ちることもあります。
今後の目標
今後の目標としては世界大会ですね。今でももう世界大会にでる権利はあるんですけど、今は就活が忙しくて、出られないという状況です。
側近だと、『秋の東京パワーで東京記録を更新』、『12月にドバイかマレーシアで行われるアジア大会』、『2月のジャパンクラシックで優勝』 を目標にしています。
デッドリフトの目標は1年以内に日本記録の310キロを達成したいと思います!
「オス」として筋トレをすぐに始めるべき
ーー冒頭の話に戻りますが、エビデンスでも筋トレしたらモテるみたいな話はあるけど、ぜひ倫太郎さんには筋トレしたらモテるんだぞというのを証明して欲しいですね!(笑)
単純に雄として欲求があるなら筋トレは今すぐ始めた方がいいと思います、効率良い筋トレ云々の前に、まずは始めることです。
トレーニング自体は30分でも全然いいと思います。
まずはトレーニングはやってみる。その後に自分のライフスタイルにどういう筋トレが適しているかを見つけていくのが良い思います。
<取材協力>
東京都中央区日本橋人形町1-5-8
営業時間 :毎日 6:00〜23:00
https://www.pandagym.net/
<Text:斎藤 Photo:秋田>
岡野倫太郎(おかの・りんたろう)
2000年2月3日生まれ。
高校2年生から少しずつトレーニングを始めて高3でゴールドジムに入り本格的に開始。
2020年秋からパワーリフティング競技を意識し始める。