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ワールドゲームズ優勝!日本代表するパワーリフター・佐竹優典インタビュー

パワーリフティングと呼ばれる競技が近年日本でも盛んに行われるようになってきています。2022年7月に行われた、ワールドゲームズのパワーリフティング競技で見事世界一となった佐竹優典(さたけ・ゆうすけ)さんは、高校生からパワーリフティングを始め、今では日本を代表するパワーリフターとして活躍されています。
今日は佐竹さんがパワーリフティングを行なっている理由や、パワーリフティングという競技の内容についてお聞きしてきました。

佐竹優典さんのインタビューを動画で見る方はこちら!


パワーリフティングとは?

–視聴者の方にパワーリフティングという競技を簡単に説明していただいても大丈夫でしょうか?

佐竹優典

パワーリフティングとは、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの三種目の合計重量で競うスポーツになります。オリンピックでやっているウエイトリフティングと間違えられることも多いのですが、パワーリフティングは持ち上げ方が違い、基本、肩より上にあげることはないです。

スクワット
ベンチプレス
デッドリフト

※デッドリフトに関する記事を読む

–確かにウエイトリフティングと間違えられること多いですよね、、、笑
佐竹さんはそのパワーリフティングの絶対王者と伺っております。

佐竹優典

まぁ…(笑)
絶対的王者なのかは置いといて、それなりに成績は残しています。

ワールドゲームズで見事優勝!ワールドゲームズとは?

–ワールドゲームズもお疲れ様でした!金メダルを獲られた「ワールドゲームズ」という大会はどういった大会ですか?

佐竹優典

4年に1回、オリンピックの次の年に行われる、オリンピック以外の競技で構成された国際総合大会になります。公式的にも、第2のオリンピックと呼ばれているような大会で、実際に国際ワールドゲームズ協会が主催していて、国際オリンピック委員会(IOC)が後援している大会になります。

ワールドゲームズは、オリンピックに採用されていない競技種目で世界最高水準のアスリートが競い合う国際的な競技大会です。
国際ワールドゲームズ協会(IWGA)の主催、国際オリンピック委員会(IOC)の後援により、4年に一度、夏季オリンピック・パラリンピック競技大会の翌年に開催されます。

特定非営利活動法人 日本ワールドゲームズ協会ホームページより

パワーリフティングを始めたきっかけ

–その大会で優勝した佐竹さんにパワーリフティングについて、そしてそれにかけてきた人生についてお聞きしたいなと思います。
まず、パワーリフティングと始めたきっかけを教えてください。

佐竹優典

始めたのは高校1年生、16歳の時です。小学校、中学校では野球をやっていたのですが、進んだ高校が強豪校で、体も小さかったのでこれ以上はいけないなと思い、違う部活に入ってみたいなと思っていたんです。

–野球やっていた頃はプロ野球選手になりたいとかは思ってましたか?

佐竹優典

全然なかったですね。
練習はそれなりにやって、最後の大会は普通に一回戦で負けて終わりみたいな。

–高校に入学して、自分に合うスポーツを探していたときに、パワーリフティングを見つけた?

佐竹優典

元々身体を鍛えることに興味がありました。野球選手などがよくオフシーズンにウエイトトレーニングをやってるのをみて、漠然とかっこいいなと憧れがありました。

高校に入ったら、体を鍛える系をやってみたいと思い、最初は陸上の投擲をみに行きました。

–結構鍛えてますもんね、投擲の選手って…

佐竹優典

そうですね。先輩が投擲やってたのもあって、見に行こうと思ってたんですけど部活見学の日に雨が降ってしまい、「じゃあ室内競技を見に行こう」となりました。室内競技だとパワーリフティングに興味があったので、見に行ったら先輩に乗せられて、スクワットでいきなりマックスをやって、確か70キロとかだったんですけど、君は才能あるよって言われ…(笑)

–じゃあ、雨が降ってなかったらやってなかったかもしれない?

佐竹優典

そうですね。違う道を進んでたかもしれないですね。

–最初から、これがやりたい!って熱があったというわけでもなかったんですね。

佐竹優典

そうです。入ったらたまたまあったという感じですね。

高校でのパワーリフティング生活

–高校でのパワーリフティング生活ってどうだったんですか?

佐竹優典

入部当初、スクワット70kgあげてたんですけど、その前の日に80キロあげた同級生の木内という人がいて。記録も近くて階級も59キロ級と同じだったということもあり、お互いにこいつには負けたくないというライバル心みたいなのが生まれました。

そこから2人で競い合っているうちに、気付いたら同世代での敵がいなくなってました。(笑)

高校1年生の秋の県大会では、木内と僕の59キロ級一騎討ちになって僕が負け、次の3月の全国大会でも僕が全国2位、木内くんは1位になってました。

佐竹選手(左)と木内選手(右)

–1年くらいで、どれくらい記録が伸びたんですか?

佐竹優典

フルギアなんですけど、スクワットが170kg〜180kgくらい。ノーギアは140kg〜150kgくらいだったと思います。

–高校時代の伸びがすごいですね…!
ちなみにどういったトレーニング方法だったんですか?

佐竹優典

月曜日が部活休み、土曜日は隔週で学校があり、日曜が休みだったので、他は基本全部練習してましたね。火、水、木、金。土やるときはやる。日、月はオフみたいな感じでした。

メニューの組み立てなどは…?

佐竹優典

高校生の時は、スクワット、ベンチ、デッドの3分割くらいで回してました。どちらかというとスクワットやった日に足の種目をやって、ベンチはベンチで上半身の日。あとはデッドの日みたいな。

フルギアとノーギアとは?

–先程、話にもでてきた「フルギア」と「ノーギア」について説明してもらえますか?

佐竹優典

今パワーリフテイングで主流になっているのは、ノーギアクラシック部門というシングレットを着てニースリーブをはいてというような「自分の力で持ち上げる」パワーリフティング形です。「フルギア」というのは、スーパースーツといわれている硬い生地でできたシングレットやベンチシャツを着用して、その生地の反発の力を使って持ち上げるカテゴリーになります。

人によっては、スクワットだと僕の場合は70kg〜80kgキロくらい、ベンチだと60kgくらいプラスでできたりしますね。

–どのくらい重量をプラスできるのかが、フルギアの面白さ?

佐竹優典

フォームだったりテクニックもありますね。実際に僕も、高校生の時はフルギアでも5キロくらいしかプラスできていなかったです。(笑)

–今は、ノーギアがベーシックになりつつあるのは、フルギアだと痛みなどの物理的な問題ですか?

佐竹優典

そうですね。ノーギアに比べたら当然、とてつもなく重たい重量を扱うので、身体的な負担だったりとかメンタル的なところとかにも、もちろん負荷はかかってきます。

ただ僕の場合はワールドゲームズにでたいというのが全てでした。

–ワールドゲームズははフルギアカテゴリのみですか?

佐竹優典

そうですね。ワールドゲームズがフルギアである以上は、絶対にそこをやり続けて、そのカテゴリーで勝負しますね。実際に痛いし苦しいとかもあるんですけど、そういうものだと思ってやってます。

–これからパワーリフティングを始めたいような人に勧めるとしたらノーギアですか?

佐竹優典

まずはノーギアでしっかりベースを作るのが大事。でも、フルギアはノーギアでも扱えない重量を扱えるのという魅力でもあり、実際に重たいものが上がる楽しさもあります。ノーギアのクラシックパワーリフティングだと試合をやる前から結果ってなんとなくわかっちゃうけど、フルギアの場合はなにがあるかわからない。ギアが少しずれただけとかコンディションによっても記録が全然変わって、優勝候補が失格したりなど、大どんでん返しがあったりするのがフルギアのゲーム性であり、そこがみてて面白いかなと思います。夢やロマンがありますね。

高校生で世界チャンピオンに

–そこから高校卒業するくらいには最強だったと思うんですけど、重量はどのくらいだったんですか?

佐竹優典

高校2年と3年で世界大会に出て、2年生の時は4位で結構差をつけられて負けてしまいました。それが悔しくて…その次の年は当時の18歳以下の世界記録を更新して優勝しました。

–高校3年生で世界チャンピオンだったんですね。

佐竹優典

そうです。同級生の木内くんも別の階級で出場して同時に世界チャンピオンです。

大学でのパワーリフティング生活

–そこから大学につながっていくのですね。大学でもパワーリフティング部と呼ばれるものはあったのですか?

佐竹優典

そうですね。青山学院大学に入学しました。僕が入学したころは部員も全然いなくて1年の時に4年生の先輩がいたんですけど、その先輩が熱心に誘ってくれて青学行こうと思いました。

僕が元々高校生の時にパワーリフティング頑張ったのも、実は推薦でいい大学に行きたかったからという動機がありました。

純粋に青学行けばそれなりに良い就職できるかなって思ったんです。

–その当時は人生においては何か目標があったのでしょうか?

佐竹優典

そこそこの会社に入れれば良いなって思ってましたが、その頃にはパワーリフティングを続けたいという思いが強くて、競技を続けられる良い条件の会社に入りたいなとおもってました。

佐竹優典

そういったこともあり、僕も木内も青学に進学したんですけど、その当時4年生の先輩と3人しか部員がいなくて、これじゃ団体で勝てないなと。まずは部員集めのために新歓とかも頑張って、その結果1人だけ未経験の子が入ってきました。

–団体戦もあるのですね。

佐竹優典

団体優勝したいという思いが強かったですね。当時は他の大学がすごい強くて、そこの強い大学に行ってパワーを続けて、その環境の中で団体優勝するよりも、ゼロから作って団体優勝した方が楽しくないかと思って。同級生の木内くんもいたので…

佐竹優典

途中から入部してくれた子もいて、高校大会とかに高校生をスカウトしに行ったり、今ではベンチプレスの世界大会で活躍する石川くんにも「一緒にパワーリフティングやろうや」って言ってました。最終的には一学年に4人くらいは部員がいましたね。

アジアベンチプレス優勝、世界ベンチプレス準優勝の石川選手

–大学での成績としてはどうでしたか?

佐竹さん

ジュニアというカテゴリで優勝できたのですが、それが一番大きかったですね。全日本学生の大会では4連覇して、団体としても大学3年の時に創部史上初の優勝、次の年も団体優勝して。みんなががんばってくれたおかげで部員もいっぱい増えましたね。

–大学を出る頃には今に近い記録は出せてましたか?

佐竹さん

そうですね。世界選手権の表彰台に登るくらいにはなってて、その頃にはワールドゲームズに絶対出て、最終的には優勝するっていうビジョンは自分の中でありました。

–今はTXPでトレーニングされていると思います。TXPにはいつから通われてるんですか?

佐竹さん

大学1年生の頃からですね。高校生の頃からパワーリフティング続けるにはTXPだと思っていて、世界チャンピオンになりたいっていう明確な目標があったので、TXPで練習すれば良い練習ができるだろうし、何より通っているチームメイトの皆さんの熱意やモチベーションもあったので。パワーリフティングをやる上では一番良い環境かなと思いました。

TXPのホームページはこちら!

今後の目標とパワーリフティングへの思い

–今はパワーリフティングに対して、どういう気持ちで取り組んでいますか?

佐竹さん

これまで10年間くらいパワーリフティングやってきたんですけど、生活の一部になってきて、逆にこれがない生活が考えられないので続けていくと思いますね。

職場の方もすごく応援してくれていますし、残業しながらパブリックビューイングで試合をみてくれたりしてくれているんです。

–最後に、パワーリフティングの魅力を教えてください。

佐竹さん

パワーリフティングのおもしろさは、自分がやってきた努力が数字にハッキリ表れるところです。記録が上がると楽しいし嬉しいものです。数字は絶対なので。失敗しても自分のせいでしかないですし。

–今後の目標をお聞かせください。

佐竹さん

まずは11月に行われる世界選手権での優勝。フルギアの方ですね。まだここでは優勝したことがないんです。あとは、ノーギアにももっと力を入れていきたいなと思ってます。ノーギア、フルギアの両方で二刀流世界チャンピオンになります!

佐竹優典さんのインタビューを動画で見る方はこちら!

プロフィール

佐竹優典(さたけ・ゆうすけ)

  • パワーリフター
  • ワールドゲームズ2022 日本代表
  • 2014年 世界サブジュニアパワーリフティング選手権大会 59kg級 優勝
  • 2018年 世界ジュニアパワーリフティング選手権大会 59kg級 優勝
  • 2018年 世界男子パワーリフティング選手権大会 59kg級 3位
  • 2018年 アジアクラシックパワーリフティング選手権大会 59kg級 優勝
  • 2019年 世界ジュニアパワーリフティング選手権大会 66kg級 2位
  • 2021年 世界男子パワーリフティング選手権大会 66kg級 4位
    (スクワット、ベンチプレス種目別1位)
  • 2022年 ワールドゲームズ Mens Light Weight Class 優勝
  • 全日本パワーリフティング選手権大会 優勝6回(59kg級3回、66kg級3回)
  • ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 優勝1回
  • 59kg級&66kg級 フルギア日本記録保持

ベスト記録(ノーギア66kg級)
スクワット235kg
ベンチプレス 152.5kg
デッドリフト 252.5kg
トータル 635㎏
■ベスト記録(フルギア66kg級)
スクワット310.5kg(日本記録)
ベンチプレス 222kg(世界記録、日本記録)
デッドリフト 270kg
トータル 785㎏(日本記録)

インタビュアー

笹森大生(ささもり・だいせい)

  • トーキョーフィットネス株式会社 代表
  • パーソナルトレーナー

大手フィットネスジムにて実績を積み、フリーランスのパーソナルトレーナーへ転身。現場において1000人以上の方へ指導・カウンセリング・コミュニケーションをとってきたことから、フィットネスのための情報をより多くの人に発信していきたいと思い「トーキョーフィットネス」を開設。
また、銀座のブライダルドレスショップと提携をし、ブライダルのためのボディメイクサポートプランも手がける。

■生年月日 1997年12月15日
■出身地 青森県出身
■保有資格
・NSCA-CPT(全米エクササイズ&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)
・Animal Flow Lv.1 Instructor