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アミノ酸の名称にある「L-」や「D-」の意味とは?「L-」がつくとサプリメントの内容が変わる?

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L-カルニチンやL-グルタミンなど、サプリメントを摂取している皆さんが必ず気になるのが「L-グルタミンのLってなに?」「L-グルタミンと、グルタミンって違うの?」といったことだと思います。

基本的にサプリメントの前につく「L-」はアミノ酸の分子構造を示す用語であるため、L-グルタミンとグルタミンが違うかといえばそういうわけではありません。ただ「L-」をつけて読んでいるかの違いになります。

ではどういう理由でL-という記号をつけなければいるのでしょうか?

L型アミノ酸とD型アミノ酸の違い

味の素株式会社 アミノ酸大百科より https://www.ajinomoto.co.jp/amino/about/aminoacids/kuwashiku1.html

「L-」や「D-」は化学において、分子の立体化学を表すための接頭語であり、特に1立体異性体を表すために使われます。これらは分子の3次元的な配置、すなわちその立体構造を示します

立体異性体」とは、化学の領域で用いられる用語で、同じ分子式(すなわち、同じ種類と数の原子を含む)を持ちながら、それらの原子が空間で異なる配置を持つ分子を指します。これらの異なる立体配置は、分子の性質や反応を大きく変える可能性があります。

立体異性体には主に二つのタイプがあります:「ジオメリズム」および「光学異性体」

  1. ジオメリズム:このタイプの立体異性体は、特に二重結合を含む分子において見られます。二重結合は、周りの原子の回転を制限するため、同じ分子式でも原子の配置が異なる場合があります。ジオメリズムには「シス-トランス異性体」などが含まれます。
  2. 光学異性体:これは分子が「キラル」(鏡像対称でない)である場合に見られます。キラルな分子は鏡像異性体(エナンチオマー)を持つ可能性があり、これらは互いに鏡に映したような関係にあります。しかし、それらは完全に同一ではなく、鏡像反転させても重ね合わせることはできません。典型的な例としては、多くのアミノ酸や糖類があり、それらは生物学的に重要な役割を果たします。

したがって、「立体異性体」とは、原子の空間的な配置が異なることで異なる化学的性質を示す分子の一群を指します。

具体的には、これらの接頭辞は※2キラル(鏡像対称性を持たない)分子が光をどのように回転させるかを示します。”L-“は”levo”(ラテン語で左)を、”D-“は”dextro”(ラテン語で右)を意味します。これらの分子は、特定の光を左に(L-)または右に(D-)回転させることができます。

ギリシャ語の”cheir”(手)から派生しており、”手”のように左右で鏡像にはなりますが、完全には重ねあわせられない性質を指します。

具体的には、キラルな物質や分子は、その鏡像形状と一致しない性質を持つものを指します。これらの分子は鏡像異性体(またはエナンチオマー)を形成し、これらのエナンチオマーは互いに鏡像関係にありますが、完全に重ね合わせることはできません。

例えば、手は自然界でよく知られているキラルなオブジェクトです。左手と右手は互いに鏡像関係にありますが、どう回転させても完全には重ね合わせられません。

化学において、キラルな分子は通常、四つの異なる構成要素を持つ炭素原子(キラル中心)を持つことが特徴です。キラルな分子は光学活性を示し、平面偏光を左に回転させる(レボロータリー)か、右に回転させる(デクストロロータリー)かによって特徴付けられます。

生命科学において、キラリティは非常に重要な概念であり、特にアミノ酸や糖など、多くの生物学的に重要な分子がキラルです。これらの分子のエナンチオマーはしばしば異なる生物学的活性を示し、そのため、生物体はしばしば特定のエナンチオマーを選択的に利用します。

生物学的な文脈では、多くの分子(特にアミノ酸)がキラルであり、そのためにL-またはD-の形状を持つことがあります。

大部分の生物学的なシステムでは、アミノ酸は主にL-形状を持ち、これは生物がアミノ酸を使用するための酵素がL-形状のアミノ酸に特異的であるからです。

したがって、アミノ酸について言えば、L-またはD-の接頭辞は、そのアミノ酸がどの立体構造を持つかを示しています。

人間が摂取するサプリメントはすべてL型である

L-カルニチンやL-アルギニンなどのサプリメントは、基本的に「L-」形状のアミノ酸を含んでいます。

これは、人間を含むほとんどの生物が、生化学的な反応(特にタンパク質の合成)で主にL型アミノ酸を利用するからです。そのため、栄養補助食品やサプリメントとして市販されるアミノ酸製品のほとんどは、L型アミノ酸を提供します。

D型のアミノ酸も存在しますが、それらは一部の細菌や特定の生化学的環境で見られることがあります。人間の体内では通常、D型アミノ酸は利用されず、代謝されにくいか、または有害な場合もあります。

したがって、基本的には、サプリメントや栄養補助食品としてのアミノ酸は「L-」形状のものが用いられます。